相続相談サポート大阪

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生前相続対策

こちらでは生前相続対策サービスについて紹介いたします。

  • 相続税対策

 将来の相続税がいくらかかるか。これが相続税対策の第1歩です。相続税がそんなにかからないのにやみくもに贈与などしても意味がありません。ある程度の相続税の予測をして、減額できる要素はどこにあるか、またその効果はあるかを考え必要な対策を行うことが重要です。相続税対策は、準備の期間が長ければ長いほど効果は上がります。

 ただし、相続税対策で気をつけないといけないことがあります。相続税の節税をあまりに重要視すると相続税は減ったものの財産自体も減っていたということも実はよくあります。当事務所ではリスクに応じた優先度を考え、お客様にアドバイスをさせていただいております。

 

 相続税対策は、次の(1)から(3)の順序で行います。

(1)財産を減らさないで評価額を下げられるもので、費用の発生が少ないもの

(2)財産を減らさないで評価額を下げられるもので、費用の発生が大きいもの

(3)財産は減るが相続税の減額の方が大きいもの

 

(1)の代表的なものは、相続税の各種特例を適用できるように財産構成を変えることなどです。

不動産を有利な名義に直す

 例えば、父親所有の土地に母親や子供が賃貸物件を所有している場合には、通常は「使用貸借」となって土地が自用地として評価されてしまいます。そこで、評価引下げ対策として、賃貸物件である建物を父親に贈与することが考えられます。

 つまり、土地を貸家建付地にして評価引下げをすることになります。父親に資金が潤沢にあれば、贈与ではなく建物を時価で譲渡することも考えられます。

 しかし、建物を贈与したり譲渡したりすると、それ以降は収入が父親に移転してしまいますので、その分収益が相続財産として積み上がっていくことになります。そのデメリットと、土地が貸家建付地になる評価引下げ効果によるメリットとの比較によって、実行するかどうかの判断をする必要があります。

 

婚姻期間20年以上の夫婦間では自宅の贈与に特例あり

 婚姻期間が20年以上である配偶者から、居住用不動産(マイホーム)又は居住用不動産を取得するための現金の贈与を受けた場合には、贈与税の課税価格から配偶者控除として2,000万円を控除することができます。また、贈与税の基礎控除も同時に受けることができるので、実質的には2,110万円まで無税で贈与できます。

 土地や建物の実物で贈与すると、その時点の相続税評価額で課税されるため、通常は現金で贈与するより事実上多くの財産を贈与することができます。ただし、不動産の取得に係る諸費用がもう一度余分にかかることに注意してください。

 

小規模宅地等の課税の特例面積の拡大

(イ)小規模宅地等の課税価格の計算の特例の概要  

 相続人又は同居親族の自宅の敷地及びオーナー社長一族が会社の事業のために賃貸している宅地に、配偶者や後継者が相続する時に一定の要件、規模で相続税を軽減しようという目的で設けられたのが「小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例」です。この特例を適用できれば、被相続人や生計一親族の事業の用に供されていた宅地等で、その宅地等を取得した相続人等がこれらの事業を継続する場合には、特定事業用宅地として400㎡まで評価が80%減額されます。同様に被相続人等が相続発生まで居住の用に供していた宅地等で、その宅地等を取得した相続人等が居住を継続する場合には、特定居住用宅地等として240㎡まで80%減額されます。

 

(ロ)特定居住用宅地等の対象面積の拡大

 相続税の基礎控除引下げと税率構造の見直しによって大きな影響を受ける都心部の土地所有者への課税強化の影響を緩和するため、平成25年度税制改正により、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等について、この小規模宅地等の課税価格の計算の特例を受ける場合において、平成27年1月1日以後の相続等からその対象となる限度面積が現行の240㎡から330㎡まで拡大されます。

 

(ハ)特定居住用宅地等と特定事業用等宅地等との完全併用

 この特例はどの宅地で選択するかは自由ですが、どれか一つしか選択できませんでした。ただし、選択した宅地が減額対象面積に満たない場合には、複数の宅地を選択することができますので、最も有利な宅地を相続人達が慎重に選択する必要がありました。

 ところが、平成25年度の税制改正による相続税の増税を緩和するために、平成27年1月1日以後の相続等から特定居住用宅地等の適用面積拡大と同時に、特定居住用宅地等と特定事業用宅地等について、特例の対象として選択する宅地等の全てが特定事業用宅地等及び特定居住用宅地等である場合には、それぞれの適用対象面積まで適用が可能とされ、完全併用することができるようになります。

 

(ニ)完全併用の賢い活用法

 特定居住用宅地等、特定事業用等宅地等は誰が取得するのか、その後どのように利用するのか等によって適否の可否が異なります。しかし、完全併用すれば、特定居住用宅地等につき330㎡、特定事業用等宅地等につき400㎡の合計面積730㎡までが80%評価減の対象となるのですから、地主にとっては最高の相続税評価減対策となります。

 同居することにより、もし二つの特例を完全に併用して適用できることになれば、一挙に相続税が減額することになります。将来同居しようかなと考えていらっしゃる方は、熟考の上被相続人の生前中に引っ越して、親の自宅に同居するならば、大きな対策となるでしょう。

 一度検討してみてもよいのではないでしょうか。

 

相続税のかからない生命保険金

(イ)生命保険金等の相続税非課税枠

 生命保険の死亡保険金を受け取った場合、誰が保険料負担者なのか、誰が保険金受取人なのかによって税金が異なります。ここでは、相続税の課税対象となる死亡保険金を受け取った場合の非課税制度について説明します。

 この制度を利用するには、保険料負担者と被保険者が被相続人であり、かつ、その死亡保険金の受取人が相続人でなければなりません。このような生命保険契約で受け取った死亡保険金は、「みなし相続財産」として相続税が課税されますが、残された遺族の生活保障という観点から、受け取った金額のうち一定金額については、相続税が課税されないようになっています。

非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

※ 法定相続人の数は、相続の放棄がなかったものとします。

   養子がある場合には、実子がいれば1人、実子がいなければ2人までしか法定相続人の数に加えるこ

   とができません。

 

(ロ)非課税枠の確保は終身保険で!

 生命保険金等の相続税非課税枠を活用するためには、保障が一生涯続く終身保険に加入する必要があります。なぜなら、相続が発生する前に満期が来るようでは相続時には意味がないからです。養老保険や定期保険では、長生きすれば、保険期間が終了してしまい、再加入しようとしても年齢が高くなりすぎて、加入できなくなっているかもしれません。

 

(ハ)一次相続だけでなく、二次相続にも備える!

 子供にとっては一次相続と二次相続の両方を考えなければなりません。この生命保険金等の相続税非課税枠は父親の相続にも母親の相続にも活用すると相続税対策として大変効果的なものとなります。

一次相続 500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額

二次相続 500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額

せっかくの非課税枠の特典をダブルで活用してください。

 この非課税枠を活用することによって、相続税が課税されずに多額の現金を相続人に移転することができるのです。したがって、この生命保険に加入することは、贈与を長い年月行うのと同じ効果を発揮します。

 

(2)の代表的なものは、贈与による下の世代への移転などです。

 平成25年度税制改正により、相続税の基礎控除引下げ、税率構造を6段階から8段階に増やし、課税区分6億円超については最高税率55%に引き上げるなどの相続税の増税と共に、20歳以上の者に対する直系尊属からの贈与税率引下げ、精算課税贈与の適用対象者を孫に拡大するなどの減税が、平成27年1月1日以後の相続・遺贈等、又は贈与により取得した財産に係る相続税又は贈与税について実施されます。

 資産家にとってはこれからの相続税の増税を考えるなら、相続税対策の実行に当たって生前贈与は身近で気軽に行え、しかも重要な方法です。贈与は簡単にできるのですが、それだけに「どの財産を」「いつ」「誰に」「どれだけ」贈与するのかが、対策を立案するうえで非常に重要です。税制改正をしっかり理解したうえで、相続が発生したときにどの程度の相続税がかかるのか、財産の相続税評価にはどのような特徴があるのかをしっかり認識し、長期間にわたって計画的に対策を実行していく必要があります。

 

贈与税の税率構造の見直しの概要

 高齢者層が保有する資産をより早期に現役世代に移転させ、その有効活用を通じて経済社会の活性化を図ることが必要であるとして、相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造が、平成25年度税制改正により見直されます。

 現行の贈与税の適用税率は一律ですが、20歳以上の者(子や孫)が直系尊属から贈与を受けた財産(特例贈与財産)に係る贈与税の税率とそれ以外の一般の贈与を受けた財産(一般贈与財産)に係る贈与税の二つに区分され、次の見直しが行われます。

贈与税の速算表

基礎控除後の課税価格

現行 改正後
一般 20歳以上の者への
直系尊属からの贈与
                200万円以下  10%  10%  10%
 200万円超       300万円以下  15%−10万円  15%−10万円  15%−10万円
 300万円超       400万円以下  20%−25万円  20%−25万円
 400万円超       600万円以下  30%−65万円  30%−65万円  20%−30万円
 600万円超   1,000万円以下  40%−125万円  40%−125万円  30%−90万円
 1,000万円超 1,500万円以下  50%−225万円  45%−175万円  40%−190万円
 1,500万円超 3,000万円以下  50%−250万円  45%−265万円
 3,000万円超 4,500万円以下  55%−400万円  50%−415万円
 4500万円超  55%−640万円

 現行の贈与税率は1,000万円超の部分につき50%の最高税率が適用されていますが、平成25年度税制改正により平成27年1月1日以後に贈与により取得する一般贈与財産に係る贈与税については、1,000万円超1,500万円以下の部分につき45%の税率に引き下げ、1,500万円超3,000万円以下の部分につき50%の税率とされ、3,000万円超の部分につき55%の税率として最高税率が引き上げられます。なお、平成27年1月1日以後に贈与により取得する特例贈与財産に係る贈与税については、累進構造が緩和され、最高税率55%は4,500万円超の部分について適用されます。

 上記表から、改正後の20歳以上の者への直系尊属からの贈与は現行と比較するとかなり減税になるのがおわかりいただけると思います。相続税のかかる家族は、この特例贈与を是非活用されることをおすすめいたします。

 

相続税と贈与税の有利不利

 家族に財産を生前に贈与して贈与税を納めるか、又は相続が発生してから相続税を納めるか、どちらのほうが税金の負担が軽くてすむかはケースによって違います。例えば、一時に全財産を移転する場合は、実効税率の低い相続税が有利になります。しかし、贈与は好きな時に、好きな人に自由にできるので、相続税の実効税率よりも低い税率の範囲内で行うならば、贈与のほうが有利になります。

 

 生前贈与を成功させるためには、「適切な贈与額」を見つける必要があります。相続開始までの期間が長いと予想される場合には、少額な贈与で非課税枠や低い税率を活用しながら、多額の財産を移転することができますが、相続の発生が比較的短期のうちに予想される場合には、ある程度の贈与税を負担しても、思いきって贈与をしていく必要があるからです。

 

住宅取得等資金贈与の大型非課税枠の活用

 平成24年度税制改正において、住宅取得等資金贈与の平成25年分の非課税措置は、省エネルギー性又は耐震性住宅については、1,200万円、一般住宅については700万円に、平成26年分については、それぞれ1,000万円、500万円に減額されます。なお、この贈与の非課税特例については、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下の受贈者に限定されています。

 従来から住宅取得等のための資金の贈与を受けた場合、相続時精算課税制度の住宅取得等資金贈与の特例があります。精算課税贈与の特例は父、母からの贈与になっていますが、この非課税特例は直系尊属からの住宅取得等資金贈与に適用があり、父母、祖父母はもちろん、曾祖父母からの住宅取得等資金贈与も対象となりますので、対象者が広くなっています。

 

相続時精算課税制度

(イ)相続時精算課税制度の概要

 相続時精算課税制度は、暦年贈与との選択によって適用が認められている制度で、現行制度によると、満65歳以上の親から満20歳以上の直系卑属である相続人に対する贈与に限り選択が可能です。この制度を選択すると2,500万円までは無税で、これを超える部分については一律20%の税率の贈与税ですむという画期的な制度です。

 精算課税制度の適用を受けようとする人は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、精算課税制度を選択する旨の届出書を贈与税の申告書に添付して税務署に提出する必要があります。一度この制度を選択したら、その親との間では、相続発生時までこの制度が適用され、暦年贈与制度に戻ることはできません。

 

(ロ)相続時精算課税制度の適用要件の見直し

 若年世代へ資産の早期移転を促進する観点から、平成25年度税制改正により、平成27年1月1日以後の贈与から相続時精算課税制度の対象が拡大されます。

・ 受贈者の範囲に、20歳以上である孫が追加されます。

・ 贈与者の年齢要件が60歳以上に引き下げられます。

 

(ハ)相続時精算課税制度を選択した場合の相続税

 精算課税制度を選択した相続人は、その贈与者である親に相続が発生した時に、それまでにこの制度の適用を受けた課税価格と相続した財産とを合算して計算した相続税額から、二重課税にならないように、納付した贈与税額を控除して相続税を計算することになります。

 相続財産については、相続発生時の課税価格で計算されますが、合算される価額は贈与を受けた時の課税価格で計算します。相続税の計算は従来と同じように法定相続分による課税方式で計算し、相続税額から控除しきれない贈与税額がある場合には、その贈与税相当額は還付を受けることができます。その名称通り、相続のときに贈与税と相続税の精算が行われることになります。

 

(ニ)精算課税贈与を選択したほうが有利なケース

将来値上がりする可能性の高い財産を贈与する

 二極分化の現代、今後の資産価値の予想は非常に困難です。そのような中でも将来値上がりが予想できる不動産としては、例えば、ここ数年のうちに市街化区域に編入されることが予想される調整区域内の土地や収用予定地などがあります。このように、現在は利用制限や環境不良により評価額が低いにもかかわらず、将来その利用価値や環境が改善されることが予想され、評価額の上昇が望めるものであれば、相続税課税強化の時代の流れにあっては、これを評価の低いうちに贈与することは大事な視点です。

 

着実に収益を生む財産を贈与する

 賃料収入が確実に入ってくる物件を贈与すると、低い評価で贈与でき、安定収入がそのまま後継者に移転できるというメリットがあります。特に典型的なのがロードサイド店舗ですが、借入金や建設協力金がある場合が多く、慎重な贈与が求められます。老朽化した建物等は修繕費などの負担により、かえって経済的には持ち出しが多くなることも考えられますので、注意が必要です。相続時精算課税制度により贈与する場合は値上がり益を狙うといった不確定な要素ではなく、毎年安定的な収益が確保できる要素を重視したリスクの低い方法がのぞましいでしょう。

 

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税特例

(イ)教育資金の非課税措置創設の目的

 日本では子供を私学等に行かせた場合、家計に占める教育費の割合が高く、親世代の子育ての大変さは「将来の教育費への不安」が大きくなっています。また、孫のために教育費の支援をしたいと思う祖父母は多いのですが、本来一括して贈与すると贈与税が課税されることとなり贈与を躊躇することが多くなっています。そこで、平成25年度税制改正において、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」措置が創設されました。

 

(ロ)教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の概要

 平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に、教育資金管理契約を締結するときにおいて30歳未満である子・孫等が、その直系尊属である祖父母や父母等と信託会社(受託者)との間の教育資金管理契約に基づき信託受益権を取得した場合、その直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭等を預入等した場合には、その信託受益権又は金銭等の価額のうち受贈者1人につき1,500万円までの金額については、贈与税が課されません。

 

(ハ)教育資金の概要と手続

 学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円が非課税限度額となります。また、教育資金とは、文部科学大臣が定める次の金銭をいいます。

(ⅰ)学校等に直接支払われる入学金、授業料その他の金銭

(ⅱ)学校等以外の者に、教育に関する役務提供の対価等として支払われる金銭で一定のもの(学習塾・家庭教師、そろばん、スイミングスク-ル、野球チームでの指導、ピアノの個人指導、絵画教室、バレエ教室、習字、茶道など学校以外の者に直接支払われるものをいいます。)

 なお、非課税特例の適用を受けようとする場合には、受贈者は、この特例の適用を受けようとする旨等を記載した教育資金非課税申告書を金融機関を経由し、受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

 

(ニ)金融機関における払出しの確認等が必要

 受贈者は、払い出した金銭を教育資金の支払に充当したことを証する書類を領収書等に記載された支払年月日から1年を経過する日又は領収書等に記載された支払年月日の属する年の翌年3月15日までに金融機関に提出しなければなりません。金融機関は、払い出された金銭が教育資金に充当されたことを確認し、その確認した金額を記録するとともに、当該書類及び記録を教育資金管理契約が終了した日の属する年の翌年3月15日以後6年を経過する日まで保存しなければなりません。

 

(ホ)資金管理契約の終了時及びその時の取扱い

 教育資金管理契約は、受贈者が30歳に達した日、受贈者が死亡した日、信託財産の価額がゼロになった場合等、教育資金管理契約が合意に基づき終了する日の、いずれか早い日に終了します。

 死亡以外の事由により、教育資金管理契約が終了した場合においては、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額については、終了した日の属する年に贈与があったものとして贈与が課税されます。この場合には、金融機関は「非課税拠出額」及び契約期間中に教育資金として払出し記録された金額の合計金額(教育資金支出額)とその他の事項を記載した調書を受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

 

保険料を贈与して納税資金を確保

(イ)相続税の納税資金の確保は生命保険の非課税枠から

 相続税の納税資金の確保は、税金のかからない資金を残すことです。その最適なものは、相続税の非課税枠を(500万円×法定相続人の数)での生命保険金です。最初の一歩として、この非課税枠を活用するといいでしょう。それでは、非課税枠を超える死亡保険金には相続税がかかりますので、次のステップとして保険料の贈与プランを見ていきます。

 

(ロ)保険料の贈与税額と一時所得による所得税額を考慮する

 保険料贈与プランは、将来予想される相続税の納税資金の不足額に見合った保険契約の保険料として必要な額を、毎年相続人である子供に贈与していき、子供がその贈与を受けたお金で父親に保険を掛ければ、納税資金計画の出来上がりです。

 ただし、資金繰り上、贈与した保険料に対する贈与税額と受け取った高額な保険金に対する所得税に注意してください。

 

(ハ)暦年贈与の場合、相続税の実効税率と比較し終身保険に加入する

 所得税の負担については、高額な保険金であっても、子供の一時所得として[保険金額-支払保険料-50万円]の2分の1に、最高でも50%(平成27年からは55%)をかけた税金となります。暦年贈与を選択されている場合には、相続開始前3年以内の贈与以外については相続時に持ち戻されませんので、毎年払う贈与税とこの所得税等の合計税率と相続税の税率とを比較して、相続税の税率以下で実行されるといいでしょう。

 この場合も、相続税の納税資金のためのものですから、相続人が被相続人を被保険者とする終身保険に加入しなければ意味がありません。相続税率の高い人ほどこの対策の長所が活かされますので、少々贈与税が高くても必要経費といえるでしょう。

 このように「生前贈与+生命保険」の対策は賢い方法といえます。

保険料贈与による保険の加入形態と保険の種類

契約者
(保険料負担者)
被保険者 保険金受取人 保険の種類 効果
子供 本人 子供 終身保険 本人の相続対策
本人に万一のことがあった場合、
子供に死亡保険金がおり、
相続税の納税資金となります。
子供 子供 終身保険 二次相続対策
本人の妻に万一のことがあった場合
(二次相続)、死亡保険金がおり、
二次相続の相続税の納税資金
となります。
子供 終身保険
又は
養老保険
本人と次世代相続対策
子供に万一のことがあった場合
(次世代の相続)、相続税の納税資金
となります。

(3)の代表的なものは、賃貸物件の購入などです。

不動産を購入する

 現金よりも不動産の方が相続税評価額は安くなります。家屋の場合の相続税評価額は、固定資産税の評価額と同じですがこの価格は取引価格の70%程度が一般的です。土地の場合の相続税評価額は、路線価が一般的ですがこの場合も取引価格の80%程度ですので、節税対策としては現金よりも不動産で資産を所有している方が節税効果は高いです。

 

大規模の宅地を利用しての対策

 土地を所有しているが、空き地のままの状態である場合には、その土地を賃貸したりあるいはアパートやマンションなどを建築し賃貸すると相続税の節税対策になります。

 空き地の土地を賃貸すると貸宅地として評価を減少することができます。また空き地の土地にアパートやマンションなどを建築して賃貸すると貸家建付地として土地の評価を減少させることができます。どちらも賃貸収入が入ることになるので、納税資金の対策にもなります。

 

(イ)貨宅地のメリット

・更地価格の60~70%が借地権の評価割合になりますので、残りの30~40%が土地の評価額ということになります。

・維持費や建築費などが貸家建付地と異なりかかりません。

 

(ロ)貸宅地のデメリット

・借主が借地権を持つことになります。借地権は非常に強い効力を持っているので、土地の売却や賃貸契約などの解除が難しくなります。

 

(ハ)貸家建付地のメリット

・更地価格の約80%で評価することになります(自用地評価額から借家人の有する宅地等に対する権利も価額 = 借地権割合 × 借家権割合)。また、建築した建物の価格も評価額の70%程度になります。

・借主に借地権が発生しませんので貸宅地に比べると、土地の処分に手間がかかりません。

・建築のための資金として借入れをした場合、債務として相続財産から差し引くことができます。

 

(ニ)貸家建付地のデメリット

・立地条件が悪いと入居者が集まらない。

・借入金やその利子の返済などを考慮しておかないと相続税対策どころではなくなります。

  • 相続対策

 将来遺産分割についてもめるんじゃないか?うちの相続人関係は複雑でどうなるか心配!など遺産の分割について不安がある方はもちろんですが、うちの子供たちは仲がいいから大丈夫!うちは相続税がかかるほど財産がないから大丈夫!と思っている方も相続対策が必要な可能性があります。遺言書を書いてさえいれば!遺産を分けやすくしていれば!など対策さえしておけば相続人同士で争うこともなかったと思われるケースがよくあります。

 

 相続対策(争い防止のための)で一番重要なことは、親から子へしっかり意思表示をして納得しない子がいたら理解するための努力をされることだと思います。どうやっても争う場合は別ですが経験上、親の意思表示不足のために争いがおきていると思われるケースが多いです。日本らしい例として、父親は長男にだけ遺産の分け方を言い残している場合、他の兄弟は長男から説明されるだけです。そういうケースは長男の相続分が多かったりするので余計もめる要素が多いのですが、自分の相続分が少なくても親の意思(遺志)なら納得する(あきらめる)こともあるのです。

 

 相続争いはそれまでの家族関係を壊してしまいます。回避する努力をしてください。方法としては、遺言書を作っておく、遺産を分けやすくしておく、場合によっては遺留分の放棄などご家族の状況によって必要な対策がそれぞれあります。相続に関する法律は複雑ですが、事前の対策が重要ですのでご自分で判断されずに、専門家へご相談ください。

 

(1)遺言書の作成

 遺言は、相続における被相続人の最終的な意思を確認する重要な手段であり、死亡後の法律関係を決定します。民法上では、法定相続人に優先し、その意思が確実に実行されるように定められています。法律にしたがってきちんと作成しないと、せっかくの遺言も無効となってしまいます。遺言書を作成する前には、作成を依頼するしないにかかわらず、ぜひご相談ください。

 

(イ)遺言書作成のメリット

 遺言書を作成することのメリットは大きく分けて2つあります。

・親族間での争いが生じにくくなる

 原則として遺言書の内容どおり遺産を分配することが定められているからです。

・自分の思い通りに財産を分配することができる

 遺言書がないと、民法で定められた法定相続分にしたがって遺産が分配されるので、被相続人が渡したくないと思っていた人にまで、財産が渡ってしまうことになります。

 

(ロ)遺言書作成のポイント

 遺言は、一生懸命働いて築き上げてきた財産を円滑に相続するための最善の方法です。大切にしてきた家族への最後の仕事といえます。遺言においては、遺言者の真意が正確に伝えられることと、相続人の間のトラブルを避けることが最も重要です。そのため、種類・様式・書き方などは民法において厳格に規定されています。法律どおりにきちんと作成しなければ、せっかく書いた遺言書も無効となってしまいます。またルールはしっかり守られていても内容が曖昧だったり、色々な意味に解釈できてしまったりする場合には争いの原因につながります。

 

 遺言というと「縁起でもない」といったイメージを持たれる方がまだ多いかもしれませんが、遺言書は財産を分けるためだけに書くものではありません。自分の「想いを伝える」ご家族への最後の手紙という意味合いもあります。残された相続人の気持ちに十分配慮した言葉が残されていれば、必ずしも満足でなくても相続による争いが防げるのではないでしょうか。家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割の争いの3分の2は遺言を書いておけば防げたものであると言われています。財産を持つ者にとっては、しっかりとした遺言書を残すことは義務といっても過言ではありません。

 

(2)保険を活用して争族防止!安心を贈与

(イ)現物で分割できない場合には、代償分割

 相続が開始すると、被相続人の財産は相続人全員の法定共有財産になります。しかし、具体的にはそれぞれの財産を誰が相続するかについては相続人同士の話合いで決定します。これを遺産分割といいます。遺産の分割に際し、それぞれの財産を具体的に現物分割できれば簡単ですが、金融資産以外の最大の欠点は割り切れないことです。例えば、土地や建物・ゴルフの会員権などです。そういう分けにくい財産の場合、売却してその代金を分ける換価分割という方法があります。しかし、この場合財産を譲渡することになるため、売却益があれば所得税・住民税がかかり手取り収入が減少することもあります。

 さらに、相続人にとって分割や売却したくない財産もあります。このように現物のまま余分な費用をかけず遺産分割をしたい場合、相続人のうちの一人がその財産を相続して、他の相続人にはその代償として金銭などの財産を渡す代償分割という方法があります。

 

(ロ)代償分割の財源に生命保険を活用する

 代償分割の最大のポイントは、その財産を取得する相続人に、他の相続人に渡す資金があるかどうかという点です。資金があれば代償分割によりスムーズに遺産分割できることが多いのですが、それだけの代償金のある相続人は少なく、借りなければならないことが多いようです。そうなれば両親と同居していたり事業を共同で行っていた子供にとっては、生前は両親の面倒をみて相続開始後は相続税と兄弟のための借入金のダブルの負債を負うことになります。そこで代償財産を支払うための資金として相続時に受け取ることのできる生命保険金を用意しておけば、相続時に安心をプレゼントすることができます。 

 

 例えば、同居していた長男に事業用財産と不動産を相続させたい場合、父親本人が契約者でかつ被保険者である生命保険契約に加入しておけば、代償分割の資金を用意することができます。この時に注意しなければならないのは、保険金の受取人を誰にするかということです。

 父親は自分自身の死亡に対して6,000万円が給付される生命保険に入り、長男を受取人としておきます。相続に際し、長男は事業用財産と不動産を相続する代わりに、次男、三男にそれぞれ3,000万円ずつの現金を支払う代償分割を提案します。相続財産が9,000万円で、子供が三人の場合、次男、三男の法定相続分は3分の1の2,000万円ずつのため、この内容の代償分割であれば、次男、三男も納得せざるを得ないでしょう。 

 

(ハ)遺留分原資としての生命保険契約は注意深く締結する

 遺産分割でもめない安心を確実にプレゼントには、保険金受取人を長男に指定する契約を締結するとともに、「全財産を長男に相続させる代わりに、次男と三男にそれぞれ3,000万円ずつ渡すこと。」という遺言書を書いておくとといいでしょう。もし全財産が増加して9,000万円を超えたとしても、民法でいう遺留分(法定相続分の2分の1以上確保できる権利)を侵害していない場合は、従わざるを得ないからです。

 また遺言書がなく遺産分割したにもかかわらず、分割協議後、印鑑代などの名目で他の相続人へ生命保険金の一部を渡す方法は注意してください。分割協議上は不動産を取得したということで終わり、その後不動産と生命保険金を取得した相続人が他の相続人に現金を渡したような場合、すでに分割協議が終わっているので、この方法では その後渡した現金は贈与となり、もらった人に贈与税がかかり、相続税と贈与税の二重課税となります。現金を渡して遺産分割を円満にするつもりなら、代償財産として渡す現金を遺産分割協議書に記載しておけば贈与税はかかりません。必ず遺産分割の際に注意してください。

 

 

生前相続対策の流れ

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